「ペンドレッド症候群」という言葉は一般的な耳鼻咽喉科では全く通じない話。以前に聴力ががくっと下がった時、そこいらの町の耳鼻科に行き「ペンドレッド症候群で~す」と言ったら「は?」って怪訝な顔をされた経緯がある。ちょっと大きな総合病院でも「いや、わかんね」と言われてしまった。たまたま姉が突発的に聴力が下がりたまたま検査入院した独協医科大でたまたま判明したこの病気、もしかしたら判明していないだけで罹患者は大勢いるのでは?
ペンドレッドさんが発見したから「ペンドレッド症候群」と付けられたこの病気、PDS遺伝子と呼ばれる箇所に変異が生じ発症する。症例数はまだまだ少なく、町の耳鼻科ではほとんど知られていないこの病気、それだけに情報が少なく大変困っている。治療法は今のところ無い。
気をつけるべき事は「頭を打つな」「重い物を持つな」「運動は控えめに」…要はリキむ事はやるなという事だ。脳圧を上げるのはよろしくないそうな。
めまいなども起こる事もあるが、今のところそういった面では特に大丈夫そうである。
ペンドレッド症候群について難病情報センターホームページより抜粋したものを下記に記載。小難しい内容なので、読みたい人だけ読んでね。
Pendred症候群(ペンドレッド症候群)
■概要
先天性難聴と10才以後に発症する甲状腺腫を合併する常染色体劣性遺伝の疾患である。約80%の症例で内耳に前庭水管拡大という奇形を認め、蝸牛にMondini(モンディーニ)型という奇形を認める場合も多い。一部の症例では、難聴は先天性ではなく小児期に発症する。甲状腺腫はヨード有機化の不全型障害により約1/3の症例で発症する。甲状腺機能正常の症例が多いが、一部の症例では甲状腺機能低下が認められる。
■原因
Pendred症候群患者のおよそ半数にSLC26A4遺伝子変異が認められ、主要な原因である。残りの半数の患者の原因は現在まだ不明である。日本人では変異の頻度がより高いという報告が近年されているが確定していない。
■症状
先天性あるいは小児期からの両側性高度感音難聴。進行性あるいは変動性の経過を呈する症例も多い。両耳の前庭機能低下による反復性めまい発作、平衡障害。10才以後に発症する甲状腺腫。一部の症例では甲状腺機能低下症を伴う。
■合併症
小児難聴の結果としての言語発達の遅れ。甲状腺腫は、少数ではあるが極めて巨大化して外見上の問題となり、さらに呼吸障害を生じる場合がある。